増原メッセージ:(35)増原さきがけ一期生研究会に出席して
2019/08/25、熊本大学黒髪キャンパス
研究の最先端を研究者の情念とともに聞くことができる素晴らしい機会だった。
さきがけ時代の研究が大きく発展している、さきがけが研究者人生の大いなる刺激になっているのを見るのはうれしい。
研究に確立はない、まとめ切ることはない、研究タイトルに「…の確立」と使うな、と言われたことを思い出す。
研究者として生きる以上は、与えられた環境、状況下でやるしかない。N賞のRudolph A. Marcus, Allan J. Heegerでさえまさに今の世の応用志向のテーマをやっている。しかし一方私がごときの基礎研究でも、ユニークであればやっていける。今の台湾はなおHealthyである。科研費の審査をしているが、日本もなおHealthyであると感じる。
7月にはInternational Conference on Photochemistry (Boulder Colorado USA, July 21-26, 2019) に招かれたが、エネルギー、環境といいながらその複雑系の時間分解分光の研究が多かった。アメリカの物理化学、光化学はなおHealthyと感じた。
研究費、チーム、論文数、ランキングなどとは別に、研究社会、研究文化がある。研究社会、研究文化に加えて、敬われる研究、敬われる研究者が極めて重要とますます感じるようになった。
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